OVM 3.0の環境を構築する前に準備するリソースを説明しています。
[詳細]
何回かにわたってOVM3.0の構築ついて説明してきましたが、構築に必要となる周辺リソースには触れてきませんでした。今回はどのようなリソースが必要とされるかについて説明します。
OVM 3.0は大規模環境での使用に配慮されているため、仮想化ホスト・サーバ以外にも、構築にいくつかのサーバやストレージなどのリソースを準備しなければなりません。
- サーバ
- OVM Manager
OVM環境を管理するマネージャのサーバです。マネージャへはウエブ・ブラウザをつかって、アクセスします。WebLogic Server, Oracle XEを動かすので、それなりのスペックが必要です。
HWスペック:
メモリ 4GB
1.5GB (別にDBサーバ用意した場合)CPUアーキテクチャ 64ビット CPUスピード 1.83GHzswap サイズ 2.1GBHDD /01 5GB
/tmp 2GB
対応OS:
OVM Managerが、正式にサポートするOSです。
Oracle Linuxは、OVMと同じサイトからダウンロードでき、無料で使用することができます。
- Oracle Linux 5 Update 5 64-bit or later
- Oracle Linux 6 64-bit or later
- Oracle Enterprise Linux 4 Update 7
- Oracle Enterprise Linux 5 Update 2
- Red Hat Enterprise Linux 4 Update 7
- Red Hat Enterprise Linux 5 Update 2
- SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2
- SUSE Linux Enterprise Server 11
- unzip
- libaio
- glibc should be greater than or equal to 2.3.4-2.41
- make should be greater than or equal to 3.80
- binutils should be greater than or equal to 2.16.91.0.5
- gcc should be greater than or equal to 4.1.2
- libaio should be greater than or equal to 0.3.104
- Oracle Linux 5 Update 5 64-bit or later
- OVM Server
仮想マシンを動作させるホスト・サーバです。ディスク容量はOSのみで、各種イメージなどは含みません。また、スペックからでなく実測値です。
メモリ 推奨 2GB以上
最小 1GBCPUアーキテクチャ 64ビット CPU仮想化支援機能
(完全仮想化環境で必須)Intel VT-x
AMD-V内蔵HDD 1GB (swap領域除く) - Web Server
OVMでは、ISOイメージやテンプレートを登録する際には、http, https, ftpのプロトコルでOVMがWeb ServerもしくはFTP Serverからイメージをダウンロードします。そのために、Web ServerかFTP Serverのどちらかをあらかじめ用意しておく必要があります。
- FTP Server
同上
- OVM Manager
- ストレージ
OVM 3.0では、仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所には、共有ストレージが必要です。標準で使用できるストレージは、NFS, iSCSI, ファイバチャネルです。
- NFS Server
NFS Serverの設定は、すべてのサーバからアクセス可能にする必要があります。
サンプル:
root # cat /etc/exports
/var/ovm/images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
/var/ovm/templates *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
/var/ovm/iso_images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2) - iSCSIターゲット
OVMサーバから同時にアクセスできるように、iSCSIのターゲットを設定します。LinuxでのiSCSIターゲットの設定方法についてはこちらを参照してください。
- ファイバチャネル・ストレージ
ファイバチャネルのSAN環境では、OVMサーバから同時にアクセスできるようアクセスコントロールを設定する必要があります。
- ローカル・ストレージ
OVM 3.xでは、内蔵ディスクをパーティションを分けて仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所として使用することはできません。ディスク一本まるまるRAWデバイスとして使用します。
- NFS Server
- クライアント・ソフト
OVM Managerへアクセスするクライアントには、JRE1.6.xに同梱されている"Java Web Start"が必要です。こちらからダウンロードしてください。
なお、Open JDKでは、コンソールのtigthvncが動作しませんでした。
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