月曜日, 9月 26, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第8回 仮想マシン・テンプレートの登録)

[概要]
OVM環境において仮想マシンのテンプレートを、ストレージ・レポジトリへ登録する方法について説明しています。

[詳細]
前回は仮想NICの生成について説明しました。今回は、仮想マシンのテンプレートを、作成したレポジトリに登録する方法について触れます。
  1. テンプレートの入手
    OVMを入手した時に利用したoracle社のWEBサイト (http://linux.oracle.com/)にアクセスし、Oracle VM : DownloadからE-Deliveryのページに移り、ログインしてください。


    "Select a Product Pack"で、"Oracle VM Templates"を選択し、必要なテンプレートをダウンロードしてください。

  2. ファイルの解凍
    ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
    oracle@linux$ unzip V26302-01.zip
    Archive: V26302-01.zip
    inflating: OVM_OL5U6_X86_64_PVM_10GB.tgz
    oracle@linux$
  3. WEBサーバ, ftpサーバへのテンプレートのアップロード
    解凍したテンプレートをWEBサーバ, ftpサーバへアップロードします。
  4. テンプレート管理画面の表示
    OVM Managerを開き、"Home"→"Server Pools"→"Templates"を選択し、テンプレートの管理ページを開きます。下の図のマルの部分("import template")を押して、テンプレートの登録画面を開きます。
  5. テンプレート情報の入力
    登録画面にて、3つの必要項目を入力し、OKを押します。
    • Repository
      テンプレートを格納するリポジトリを指定します。
    • Server
      テンプレートをリポジトリに格納する作業を行うサーバ指定します。
    • Template URL
      "WEBサーバ, ftpサーバへのテンプレートのアップロード"で、登録したテンプレートのURLを指定します。
    登録が無事に完了すると下のように、テンプレートがリストされます。
以上でテンプレートの登録の説明はおしまいです。次回はよいいよ、テンプレートから仮想マシンを作成する方法について説明します。

日曜日, 9月 25, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第7回 仮想NICの生成)

[概要]
OVM 3.0における仮想NICの生成について説明します。
[詳細]
前回は、サーバ・プールの作成について説明しました。今回は、仮想NICの管理について説明します。正確にはMACアドレスの管理と言った方が正しいかもしれません。
OVM 3.0では、OVMマネージャで仮想NICのMACを生成し一括管理します。
仮想マシンはOVMマネージャから仮想NICに対してMACアドレスを割り当てられた仮想NICを使用します。それでは、MACアドレスの生成方法について説明します。

  1. 管理画面の起動
    ツールバーの"Tool"選択し、プルダウンから"Vnic Manager"を選択します。

  2. MACアドレスの生成
    まず、"Specify an Initial MAC Address"の隣の"Next"を押して、空いているMACアドレスの最小の値を表示させます。何も追加されていない初回は"00:00:00"が表示されます。
    "Number of MACs to generate:"には、追加するMACアドレスの個数を入力し、"Generate"を押すとMACアドレスが生成されます。
  3. OVMの仮想環境が同じネットワークセグメントにある場合には、MACアドレスが重複しないように生成してください。
以上で、仮想NICの生成についての説明を終わります。
次回はテンプレートの登録について説明します。

火曜日, 9月 20, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第5回 ストレージ・リポジトリの設定)

[概要]
OVMのシステムにストレージ・リポジトリの設定を行います。

[詳細]
前回は仮想マシンのイメージ、テンプレート、ISOイメージを格納するNFSストレージが必要の追加方法について説明しました。今回はストレージ・リポジトリの作成から、リポジトリへ仮想マシンの追加までについて説明します。
さて、OVM3.0ではストレージをOVMへ登録しただけでは、仮想マシンやISOイメージ、テンプレート、仮想マシンの設定ファイルを格納することはできません。作成した共有ストレージ上にリポジトリを作成することでファイル類を登録することができます。
  1. リポジトリ作成ウィザードの起動
    下の図の赤で囲った部分ををクリックして、ウィザードを起動します。

  2. リポジトリの作成
    ストレージ・リポジトリを作成するために必要な情報の記入を行い、リポジトリを作成します。

    • Name
      仮想マシン名を設定します。Oracle VM環境内で一意であれば任意の名前を付けることができます。(必須)
    • Repository Location
      リポジトリのデータを格納するストレージを指定します。(必須)
      • Netwark File Server
        NFSサーバ上にリポジトリを作成します。
        虫めがねを押すとNetwork File Serverには、第4回で登録した作成したNFSサーバとストレージが表示され、使用するファイルシステムを選択します。ストレージを使用するためにはあらかじめRefreshしておく必要があります。
      • Physical Disk
        iSCSIやFCなどの共有ディスクをリポジトリとして使用する際に指定します。設定方法については、管理編で説明します。
    • Share Path
      指定したファイルシステム上にサブディレクトリを作成し、そこをリポジトリとします。(任意)
    • Descripiton
      リポジトリの説明を記載します。(任意)
    必要事項の記入が終わったらOKを押して、リポジトリを作成します。成功すると下のように作成されたリポジトリがリストされます。
  3. 登録画面の起動
    リポジトリにOVMサーバを登録する画面を起動するために、下のマルで囲まれた部分をおします。

  4. OVMサーバの登録
    リポジトリに追加するサーバを"Servers"から選択し、右側の"Present to Server(s)へ移動させ、"OK"を押しサーバの登録を行います。

    サーバが登録されると、次のように右側の"Server"に登録したサーバがリストされます。

今回、リポジトリの設定は、仮想マシンを作成するまでに最低限必要な設定のみを説明しました。他の設定や詳細については管理編で触れることにします。 それでは、次回は。OVMを構成する単位であるサーバ・プールの登録について説明します。

水曜日, 9月 14, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第0回 必要なリソースの準備)

[概要]
OVM 3.0の環境を構築する前に準備するリソースを説明しています。

[詳細]
何回かにわたってOVM3.0の構築ついて説明してきましたが、構築に必要となる周辺リソースには触れてきませんでした。今回はどのようなリソースが必要とされるかについて説明します。
OVM 3.0は大規模環境での使用に配慮されているため、仮想化ホスト・サーバ以外にも、構築にいくつかのサーバやストレージなどのリソースを準備しなければなりません。

  1. サーバ
    1. OVM Manager
      OVM環境を管理するマネージャのサーバです。マネージャへはウエブ・ブラウザをつかって、アクセスします。WebLogic Server, Oracle XEを動かすので、それなりのスペックが必要です。

      HWスペック:
      1.83GHz2.1GB
      メモリ4GB
      1.5GB (別にDBサーバ用意した場合)
      CPUアーキテクチャ64ビット
      CPUスピード
      swap サイズ
      HDD/01 5GB
      /tmp 2GB

      対応OS:
      OVM Managerが、正式にサポートするOSです。
      Oracle Linuxは、OVMと同じサイトからダウンロードでき、無料で使用することができます。

      • Oracle Linux 5 Update 5 64-bit or later
      • Oracle Linux 6 64-bit or later
      なお、CentOS5.7での動作を確認していますので、RHEL 5でも動作するものと思われます。 Oracle XEサポートOSがサポートするOSです。
      • Oracle Enterprise Linux 4 Update 7
      • Oracle Enterprise Linux 5 Update 2
      • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 7
      • Red Hat Enterprise Linux 5 Update 2
      • SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2
      • SUSE Linux Enterprise Server 11
      必須OSパッケージ: OVM Manager:
      • unzip
      • libaio
      Oracle XE:
      • glibc should be greater than or equal to 2.3.4-2.41
      • make should be greater than or equal to 3.80
      • binutils should be greater than or equal to 2.16.91.0.5
      • gcc should be greater than or equal to 4.1.2
      • libaio should be greater than or equal to 0.3.104
    2. OVM Server
      仮想マシンを動作させるホスト・サーバです。ディスク容量はOSのみで、各種イメージなどは含みません。また、スペックからでなく実測値です。

      1GB (swap領域除く)
      メモリ推奨 2GB以上
      最小 1GB
      CPUアーキテクチャ64ビット
      CPU仮想化支援機能
      (完全仮想化環境で必須)
      Intel VT-x
      AMD-V
      内蔵HDD
    3. Web Server
      OVMでは、ISOイメージやテンプレートを登録する際には、http, https, ftpのプロトコルでOVMがWeb ServerもしくはFTP Serverからイメージをダウンロードします。そのために、Web ServerかFTP Serverのどちらかをあらかじめ用意しておく必要があります。
    4. FTP Server
      同上
  2. ストレージ
    OVM 3.0では、仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所には、共有ストレージが必要です。標準で使用できるストレージは、NFS, iSCSI, ファイバチャネルです。
    1. NFS Server
      NFS Serverの設定は、すべてのサーバからアクセス可能にする必要があります。
      サンプル:
      root # cat /etc/exports
      /var/ovm/images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
      /var/ovm/templates *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
      /var/ovm/iso_images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
    2. iSCSIターゲット
      OVMサーバから同時にアクセスできるように、iSCSIのターゲットを設定します。LinuxでのiSCSIターゲットの設定方法についてはこちらを参照してください。
    3. ファイバチャネル・ストレージ
      ファイバチャネルのSAN環境では、OVMサーバから同時にアクセスできるようアクセスコントロールを設定する必要があります。
    4. ローカル・ストレージ
      OVM 3.xでは、内蔵ディスクをパーティションを分けて仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所として使用することはできません。ディスク一本まるまるRAWデバイスとして使用します。
  3. クライアント・ソフト
    OVM Managerへアクセスするクライアントには、JRE1.6.xに同梱されている"Java Web Start"が必要です。こちらからダウンロードしてください。
    なお、Open JDKでは、コンソールのtigthvncが動作しませんでした。
事前に、これらの必要リソースを準備してください。 それでは、OVM 3.0の構築に戻りましょう。

土曜日, 9月 10, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第6回 サーバプールの作成)

[概要]
サーバ・プールを追加する方法を説明します。

[詳細]
前回はストレージ・リポジトリの設定について説明しました。今回は、サーバ・プールの作成について説明を行います。
サーバ・プールとは、OVMを構成するリソース管理する単位(グループ)です。OVMを構成するリソースには、OVM サーバ、仮想マシン、仮想ネットワーク、ストレージ、電源管理ポリシーなどが含まれます。
それでは、サーバ・プール作成の説明に移ります。
  1. ウィザードの起動
    ハードウェアのタブを表示し、リソース(Resources)を選択します。メニュー"Actions"かツールバーにあるにある"Create Server Pool"を選択します。

  2. 必要事項の記入
    サーバプールの名前や仮想IPアドレスなど、サーバープールに必要な項目を記入します。記入が終わったら"OK"を押してサーバプールを作成します。
    • Server Pool Name
      任意のサーバプール名を指定します。重複しなければ好きな名前をつけることができます。
    • Description
      サーバプールの説明を記入します。この項目はオプションです。
    • Keypamp
      サーバプールに所属する仮想マシンのデフォルトのキーマップを設定します。
    • Secure VM Magrate
      Live Maigrationするを行う際の通信を暗号化します。
    • Activate Cluster
      サーバプールにあるOracle VMサーバを、クラスター化する場合にチェックします。今回はチェックしません。
  3. サーバプールが作成されると、下のように"Resources"と"Server Pools"に表示されます。
  4. OVMサーバの登録ウィザードの起動
    作成されたサーバプールにOVMサーバを登録するためにウィザードを起動します。

  5. サーバの選択
    "Available Servers"からサーバプール登録するサーバを選択し、"Selected Servers"へ移動します。

    OVMサーバが登録されると下のようにリストされます。
以上でサーバプールの作成は終了です。
次に仮想NICの管理について説明したいと思います。

金曜日, 9月 09, 2011

ubuntuでkvmを使う

[概要]
ubuntuでkvmを使うためのOSインストールについて説明しています。
CentOS6, RHEL6の方はこちらを、CentOS5.4以降の方はこちらを、RHEL5.4以降の方はこちらを、それぞれご覧下さい。
[詳細]
KVMはLinux kernelに2.6.20より標準で実装されている仮想化環境で、カーネルのモジュールとして動作します。
また、KVMはハイパーバイザとしてのみ働き、自身ではPCのエミュレートの機能は持っておらず、QEMUというエミュレータがKVMとの間のやり取りを行って、仮想環境を提供しています。なお、KVMの使用するためには、Intel-VTかAMD-Vといった仮想化技術を実装したCPUと対応したマザーボードが必要です。対応していない場合にはqemuが完全仮想化によってエミュレーションを行いため、非常に低速になります。

それでは、KVMインストールについて説明して行きたいと思います。
[デスクトップ編]
デスクトップの媒体を使用してインストールした時のkvmのインストール方法です。
  1. OSのインストール
    ubuntuでは、インストール時にkvmを意識した設定はありません。
  2. パッケージの追加
    "kvm"と"virt-manager"のパッケージを追加します。
    x
    root@ubuntu-sv-01:~# apt-get install kvm virt-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下の特別パッケージがインストールされます:
    <略>
[サーバ編]
サーバの媒体を使用してインストールした時のkvmのインストール方法です。
  1. OSのインストール
    「ソフトウェアの選択」にて"Virtual Machine host"にチェックします。他にはリモートからのメンテナンスを考えると"OpenSSH server"もチェックしておきましょう。

  2. パッケージの追加
    ホストの上で、管理する場合には、"virt-manager"のパッケージを追加します。
    root@ubuntu-sv-01:~# apt-get install virt-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下の特別パッケージがインストールされます:
    <略>

これでKVMを使用する準備が整いました。こちら参照して、仮想マシンの作成からOSのインストールまでを行ってください。

木曜日, 9月 08, 2011

CentOS6, RHEL6でkvmを使う

[概要]
CentOS 6, RHEL6でkvmを使うためのOSインストールについて説明しています。
ubuntuの方はこちらをご覧ください。CentOS5.4以降の方はこちらを、RHEL5.4以降の方はこちらを、それぞれご覧下さい。

[詳細]
CentOS 6, RHEL6 から仮想化環境にXen替わってKVM (Kernel-based Virtual Machine)が採用されました。
KVMはLinux kernelに2.6.20より標準で実装されている仮想化環境で、カーネルのモジュールとして動作します。
また、KVMはハイパーバイザとしてのみ働き、自身ではPCのエミュレートの機能は持っておらず、QEMUというエミュレータがKVMとの間のやり取りを行って、仮想環境を提供しています。なお、KVMの使用するためにはは、Intel-VTかAMD-Vといった仮想化技術を実装したCPUと対応したマザーボードが必要です。 対応していない場合にはqemuが完全仮想化によってエミュレーションを行いため、非常に低速になります。


それでは、今回は、KVMインストールについて説明して行きたいと思います。
  1. OSのインストール
    KVMのインストールは、通常のOSのインストールの中で、仮想化のパッケージ・グループを選択することで行います。
    なお、OSインストールについては、KVMに関するポイントの部分を中心に説明します。
    1. インストール・ソフトウェアの選択
      下のソフトウエアの選択画面にて、CentOS 6では"Virtual Host"を、RHEL6チェックでは"仮想化ホストをチェックし、ソフトウェア選択のカスタマイズを"今すぐカスタマイズ"を選択します。


      CentOS6


      RHEL 6

      次の画面では、左側のカテゴリで"仮想化"を選択すると、右側のパッケージグループに"仮想化"、"仮想化クライアント"、"仮想化プラットフォーム"が選択されていることを確認します。

    2. デスクトップ環境のインストール
      "Virtual Host"では、GNOME,X Windowがインストールパッケージとして選択されません。
      カテゴリで"デスクトップ"を選択し、"X Window System"と"デスクトップ"のパッケージ・グループをチェックします。もちろん、デスクトップを使用しないサーバとして使用する場合にはこれらのパッケージ・グループをインストール必要はありません。

    その後は、通常通りインストールを進め、完了後、再起動を行ってください。
  2. 動作確認
    KVM用カーネル・モジュールがロードされていることを確認します。

    [root@vm-host03 ~]# lsmod | grep kvm
    kvm_intel 85992 0
    kvm 222368 2 ksm,kvm_intel

    AMDのCPUでは、"kvm_intel"のかわりに"kvm_amd"がロードされます。

これでKVMを使用する準備が整いました。こちら参照して、仮想マシンの作成からOSのインストールまでを行ってください。

[付録]
インストールをテキストで行った場合や、kvmの環境を後からインストールする場合には、"仮想化"、"仮想化クライアント"、"仮想化プラットフォーム"のパッケージ・グループを追加します。

# yum groupinstall 仮想化 仮想化クライアント 仮想化プラットフォーム
英語でパッケージ・グループを指定するならば、
# yum groupinstall 'Virtualization' 'Virtualization Client' 'Virtualization Platform'

火曜日, 9月 06, 2011

qemu, kvmでブリッジ接続 (ubuntu, Debian編)

[概要]
ubuntu, Debianにおいてネットワーク・ブリッジの作成を方法を説明しています。
[詳細]
KVMやqemuではlibvirtによるNAT接続の仮想ネットワークが作成されますが、仮想マシンをホストと同じネットワークに接続する場合にはブリッジを作成しなければなりません。
以前、RHELやCentOSでのブリッジの作成保法について説明しました。今回はubuntuやDebianで、ブリッジを作成する方法について説明します。
  1. bridge-utilsのインストール
    ブリッジの作成には"bridge-utils"パッケージが必要です。ただ、kvm (qemu-kvm)やlibvirt-binと依存関係があるので、これらと同時にインストールされますので、特に意識する必要はありません。
  2. NetworkManagerのアンインストール
    ブリッジの設定は、ネットワークの設定ファイルを直接編集する必要がありますが、NetworkManagerがあると設定ファイルを上書きしてしまうことがあるので削除します。

    root@ubuntu11-04:~# apt-get remove network-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下のパッケージは「削除」されます:
    network-manager network-manager-gnome
    アップグレード: 0 個、新規インストール: 0 個、削除: 2 個、保留: 0 個。
    この操作後に 3,752 kB のディスク容量が解放されます。
    続行しますか [Y/n]? Y
  3. 設定ファイルの編集
    ubuntu, Debianでは、ネットワークの設定は、"/etc/network/interfaces"で行います。
    サンプル:
    • DHCPの場合
      auto lo
      iface lo inet loopback
      auto eth0
      iface eth0 inet manual
      auto br0
      iface br0 inet dhcp
      bridge_ports eth0
      bridge_maxwait 0
      bridge_fd 0
      bridge_stp off
    • 静的なIPアドレスの場合
      auto lo
      iface lo inet loopback
      auto eth0
      iface eth0 inet manual
      auto br0
      iface br0 inet static
      address 192.168.1.211
      network 192.168.1.0
      netmask 255.255.255.0
      broadcast 192.168.1.255
      gateway 192.168.1.1
      bridge_ports eth0
      bridge_stp off
      bridge_fd 0
      bridge_maxwait 0
  4. ネットワークの再起動
    ネットワークの再起動を行います。
    root@ubuntu11-04:~# sudo /etc/init.d/networking restart
    * Running /etc/init.d/networking restart is deprecated because it may not enable again some interfaces
    * Reconfiguring network interfaces... [ OK ]
  5. 動作確認
    ifconfigコマンドで正しく動作指定ことを確認します。
    ubuntu11-04:~# ifconfig
    br0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:f9:67:b4
    inetアドレス:192.168.122.112 ブロードキャスト:192.168.122.255 マスク:255.255.255.0
    inet6アドレス: fe80::5054:ff:fef9:67b4/64 範囲:リンク
    UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
    RXパケット:15 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
    TXパケット:46 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
    衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
    RXバイト:1681 (1.6 KB) TXバイト:8963 (8.9 KB)

    eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:f9:67:b4
    inet6アドレス: fe80::5054:ff:fef9:67b4/64 範囲:リンク
    UP BROADCAST RUNNING PROMISC MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
    RXパケット:1111 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
    TXパケット:270 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
    衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
    RXバイト:71830 (71.8 KB) TXバイト:45452 (45.4 KB)
以上でブリッジの作成は終了です。

月曜日, 9月 05, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第4回 NFSサーバの登録)

[概要]
セットアップしたOVM ManagerにNFSサーバを追加する方法を説明します。

[詳細]
前回はOVM ManagerへOVM サーバを登録しました。OVMには仮想マシンのイメージ、テンプレート、ISOイメージを格納するストレージが必要です。入門編ではNFSストレージを追加します。
LinuxでNFSサーバを準備する場合は、こちらを参照してください。

[NFSサーバの登録]
  1. ビューを"Home"から"Hardware"に変更し、"Storage"(ストレージ)のタブを選択します。
  2. メニューの"Action"もしくはツールバーから"Register Storage Array"(図の赤く囲んだ部分)を選択します。

  3. NFSサーバの情報を設定します。
    * の部分は、必ず設定しなければなりません。

    1. Name :
      ファイルサーバ名を設定します。ここはホスト名でなく任意でかつ一意の名前をつけることができます。(必須)
    2. Storage Plug-in :
      ファイルサーバに接続するためのPlug-inを指定するのですが、NFSでは"Oracle Generic Network File System"を選択します。(必須)
    3. Access Host :
      登録するファイルサーバのIPアドレスもしくはホスト名を指定します。(必須)
    4. Description :
      ファイルサーバの説明を記載します。(任意)
    値を設定し終わったら、「次へ」を押して進みます。
  4. ファイルサーバを管理するOVM サーバを登録します。"Available Servers"から選択し"Selected Servers"へ移し、すべて移し終えたら"OK"を押します。

  5. ファイルサーバの登録が完了すると、ファイルサーバとシェアされているファイルシステムが表示されます。

[ファイルシステムのリフレッシュ]
登録されたファイルシステムを使用するためには、一度リフレッシュを行って情報をOVM Managerへ反映させる必要があります。
  1. リフレッシュするファイルシステムを選択し、メニューのActionもしくはツールバーから"Refresh File System"(図の赤く囲んだ部分)を選択します。

  2. リフレッシュを実施するOVMサーバを選択します。なお、リフレッシュは1台のOVMサーバから実施すれば十分です。

以上でNFSサーバの登録は完了です。NFS以外の共有ストレージについては"管理編"で詳しく説明します。次回は仮想ネットワークと仮想NICの登録を行います。

日曜日, 9月 04, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第3回 Oracle VM Serverの登録)

[概要]
前回セットアップしたOVM ManagerにOVM サーバを追加します。

[詳細]
前回はOVM Managerのインストールについて説明しました。次のステップとして、OVM ManagerにOVM サーバを登録します。

[OVM Managerへのログイン]
まず、OVM Manager Webコンソールに接続し、OVM Managerにログインします。
ユーザ名は"admin"。パスワードは、OVM サーバインストール時に設定したものを使用します。



[OVM サーバの登録]
OVM ManagerからOVMサーバを管理するために登録します。
  1. ビューを"Home"から"Hardware"に変更します。

  2. "Discover Servers"をウィザードを起動します。

  3. ネットワーク上のOVMサーバを検索します。



    1. Specify an IP Address (or range)に、検索するIPアドレスもしくはドレスの範囲を指定します。
      "Add"ボタンを押すと、IP AddressesにIPアドレスが転記されます。
    2. Oracle VM Agent PortはOVM サーバとマネージャが通信するポート番号です。デフォルトで8899が指定されていますのでそのまま使用します。
    3. Oracle VM Agent Passwordには、OVM サーバをインストールする際に指定したパスワードを入力します。
    4. OKを押して、サーバの検索を開始します。
  4. 検索が終了するとOVSサーバが"Unassigned Servers"に登録されます。

  5. ネットワーク設定ウィザードの起動
    次にネットワークの設定を行います。"Resources"を選択し、"Netowrks"タブを表示します。
    すると、OVM Serverの登録に使ったネットワーク・アドレス(下の例では192.168.1.0)が、"Storage", "Virtual Machine"以外にチェックがついた状態で表示されていることと思います。そのネットワークを選択し、"Edit Selected Network"のを押しを起動します。

  6. ネットワーク設定 "Edit Network"ウィザードでは、"Network Use"にあるチェック・ボックスを、すべにチェックして、"次へ"を押して進みます。もちろん、ネットワーク・アドレスになっている"Name"を分かりやすい名前に変更してもかまいません。 それ以降の"Select Servers", "Select Ports", "Select VLAN Segment"では、何も変更せずに"次へ"で進みます。最後の"Configure IP Addressesも何も変更せずに"Finish"を押して設定を反映させます。
    "Storage", "Virtual Machine"にチェックがあれば、変更が正しく反映されています。
以上でOVM ServerをOVM Managerへ登録する方法についての説明を終わります。
次回はNFSサーバの登録について説明します。

日曜日, 8月 28, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第2回 Oracle VM Managerのインストール)

[概要]
Oracle VM (OVM) Manager Managerのインストールについて説明します。
[詳細]
前回は、OVM Serverのインストールについて説明しました。今回は複数のOVM Serverの環境を統合管理するためOVM Managerについて説明します。OVM Serverを使用するためにはOVM Managerを必ず用意しなければなりません。
なお入門編では、仮想マシンの構築が出来ることを、目的としていますので詳細な設定については管理編で触れます。
では、必要となるサーバのスペックから説明を始めます。
  1. サーバ・スペック
    Oracle VM Managerには、次のスペックのマシンが必要です。
    • HWスペック
      メモリ4GB
      1.5GB (別にDBサーバ用意した場合)
      CPUアーキテクチャ64ビット
      CPUスピード1.83GHz
      swap サイズ2.1GB
      HDD/u01 5GB
      /tmp 2GB

    • サポートOS
      Oracle VM ManagerがサポートするOSは3.0からは、Oracle Linuxだけになりました。
      Oracle Linux以外のディストリビューションで動作するかについての検証は改めて行います。
      • Oracle Linux 5 Update 5 64-bit 以降
      • Oracle Linux 6 64-bit

    Oracle Linuxは、OVMをダウンロードしたサイト(http://linux.oracle.com/)にアクセスし、E-Deliveryのページにからダウンロードできます。

  2. パッケージの追加
    libaioパッケージとunzipをインストールされている必要があります。

    [root@linux ~]# rpm -Uvh libaio-version.rpm [root@linux ~]# rpm -Uvh unzip-version.rpm

  3. /etc/hostsのへ追加
    "/etc/hosts"に、自ホストのIPアドレスを登録します。

    [root@jp-lin03 ~]# vi /etc/hosts # Do not remove the following line, or various programs # that require network functionality will fail. 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost ::1 localhost6.localdomain6 localhost6 192.168.1.30 ovmmgr

  4. 時刻の設定
    サーバの時刻を合わせます。OVM Managerのインストール後に、時刻を戻すと戻す前の時刻になるまで動作が不安定になります。

  5. インストール・ディスクのマウント
    OVM Serverと一緒にをダウンロードしたOVM Managerのイメージを、OVM Managerをインストールするサーバにコピーしマウントします。

    [root@linux ~]# mount -o loop,ro ./OracleVM-Manager-2.2.0.iso /mnt

  6. 環境設定スクリプトの実行
    Oracleユーザの作成、ファイアウォールの設定、ユーザの制限値(limits)の変更、インストール・ディレクトリの作成を行うスクリプトを実行します。

    Oracleユーザの作成、Fierwallの設定、ユーザの制限値の変更を行うスクリプトを実行します。環境設定スクリプトの実行には、最初に"LANG=C"をつけて英語環境にすること忘れないでください。
    [root@linux ~]# cd /mnt [root@ovmmgr CDROM]# LANG=C ./createOracle.sh Adding group 'oinstall' with gid '54321' ... Adding group 'dba' Adding user 'oracle' with user id '54321', initial login group 'dba', supplementary group 'oinstall' and home directory '/home/oracle' ... Changing ownership of '/home/oracle' to oracle:dba Creating user 'oracle' succeeded ... Verifying user 'oracle' OS prerequisites for Oracle VM Manager ... oracle soft nofile 8192 oracle hard nofile 8192 oracle soft nproc 4096 oracle hard nproc 4096 oracle soft core unlimited oracle hard core unlimited Setting user 'oracle' OS limits for Oracle VM Manager ... Altered file /etc/security/limits.conf Original file backed up at /etc/security/limits.conf.orabackup Verifying & setting of user limits succeeded ... Creating mountpoint '/u01' ... Modifying iptables Adding rules to enable access to : 7001 : Oracle VM Manager http 7002 : Oracle VM Manager https 15901 : Oracle VM Manager VM console proxy 54321 : Oracle VM Manager core Saving old iptables config file to /etc/sysconfig/iptables.ovmm


    次の項目が設定されていることを確認してください。
    • ユーザ"oracle",グループ"dba"を作成されていること。
    • ファイアウォールは1521, 7001, 7002, 8080, 54321のポートが開放されていること。
    • "/etc/security/limits.conf"
      oraclesoftnofile8192
      oraclehardnofile8192
      oraclesoftnproc4096
      oraclehardnproc4096
      oraclesoftcoreunlimited
      oraclehardcoreunlimited

  7. インストーラの起動
    インストーラを起動します。

    [root@linux ~]# sh ./sh runInstaller.sh

    (Tpis)
    3.0のインストーラは、X サーバを必要としなくなりました。

  8. インストールタイプの選択
    今回は、インストールタイプを、「シンプル (Simple)」にします。

    Please select an installation type: 1: Simple 2: Standard 3: Uninstall 4: Help
    Select Number (1-4): 1
    Starting simple installation ...

  9. パスワードの設定
    OVM Managerでは、いくつかの管理用のパスワードがあります。Simpleインストールでは、次のパスワードがすべてのパスワードを同じものに設定されます。なお、パスワードは8文字から16文字。文字以上の大文字と小文字、数字を合わせる必要があります。(例:FooBar1234)
    • Oracle XEの"SYS"ユーザと"SYSTEM"ユーザ
    • Oracle VM Manager OVSのデータベース・ユーザ
    • Oracle WebLogicの"admin"ユーザ


    Verifying installation prerequisites ...
    One password is used for all users created and used during the installation. Enter a password for all logins used during the installation: Enter a password for all logins used during the installation (confirm):

  10. インストールの開始
    インストーラが環境の設定をチェックしたあと、問題なければインストール開始の確認を聞かれますので"1(Continue)"を入力します。

    Verifying configuration ...
    Start installing the configured components: 1: Continue 2: Abort Select Number (1-2): 1

  11. インストーラの完了
    9つのステップが終わると、設定内容が"Installation Summary"として表示され、インストールは終了です。

    Installation Summary -------------------- Database configuration: Database host name : ovmmgr Database instance name (SID): XE Database listener port : 1521 Application Express port : 8080 Oracle VM Manager schema : ovs
    Weblogic Server configuration: Administration username : weblogic
    Oracle VM Manager configuration: Username : admin Core management port : 54321 UUID : 0004fb00000100006b45ff6585208a1c
    Passwords:
    There are no default passwords for any users. The passwords to use for Oracle VM Manager, Oracle Database 11g XE, and Oracle WebLogic Server have been set by you during this installation. In the case of a default install, all passwords are the same.
    Oracle VM Manager UI: http://ovmmgr:7001/ovm/console https://ovmmgr:7002/ovm/console Log in with the user 'admin', and the password you set during the installation.
    Please note that you need to install tight-vnc on this computer to access a virtual machine's console.
    For more information about Oracle Virtualization, please visit: http://www.oracle.com/virtualization/
    Oracle VM Manager installation complete.

  12. これで、マネージャのインストールは完了です。
  13. OVM Managerへの接続確認
    次にWebブラウザでマネージャにアクセスできることを確認します。
    下のURLでマネージャに接続します。
    • http://サーバ名:7001/ovm/console
    • https://サーバ名:7002/ovm/console




    これでOVM Managerのインストールが完了しました。次回は仮想マシンの作成について説明します。

金曜日, 8月 26, 2011

KVMの管理 改訂版 virt-manager 入門第4回 (仮想マシンのCPU, メモリ, ブートの管理)

[概要]
仮想化環境の管理ユーティリティvirt-manager 0.8.x (RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04)で、仮想CPU,aメモリ, bootの管理について説明してます。

[詳細]
前回、に引き続き、個々の仮想マシンの管理について説明します。今回は「Processor(CPU)」, 「メモリ」, 「Boot Options」の管理について触れます。
[Processor]
仮想CPUについて、現在の設定の表示および変更を行えます。
なお、"最大割り当て"の数までCPUを指定できますが、パフォーマンスの観点から"ホストマシン上のCPU合計"の数以下にしてください。また、OS稼動中の変更は出来ません。
  1. CPU
    1. 現在の割り当て(0.8.4)/Current Allocation(0.8.6)
      仮想マシンに現在割り当てられている仮想CPUの数が表示されます。
      • virt-manager 0.8.4 (RHEL6, ubuntu 10.10)では表示のみです。
      • virt-manager 0.8.6 (ubuntu 11.04)では仮想CPU数の変更も行えます。
    2. 割り当てを変更(0.8.4のみ)
      仮想CPU数の変更を行います。なお、virt-manager 0.8.4 (RHEL6, ubuntu 10.10)のみに存在します。
    3. 最大割り当て
      仮想マシンに当てられる最大の仮想CPUの数が表示されます。
      • virt-manager 0.8.4 (RHEL6, ubuntu 10.10)では表示のみです。
      • virt-manager 0.8.6 (ubuntu 11.04)ではCPU数の変更も行えます。
    4. ホストのCPU数 (0.8.4)/論理ホストCPU数 (0.8.6)
      OSから認識されるホストのCPU数が表示されます。
  2. Configuration (0.8.6のみ)
    エミュレートするCPUのモデルを指定します。
    1. モデル
      エミュレートするCPUのモデルを指定します。選択します。
    2. Copy host CPU configuration
      ホストマシンからCPU情報を取得し、モデルへコピーします。
  3. Topology (0.8.6のみ)
    CPUのトポロジーを設定します。デフォルトでは自動的に管理されています。
    1. Manually set CPU topology
      マニュアルでトポロジーを管理する場合にはチェックします。
    2. Sockets仮想マシンのCPUソケットの数を指定します。
    3. Cores1仮想CPUあたりのコアの数を指定します。
    4. Threads1コアあたりのスレッドの数を指定します。
  4. CPU Pinning (0.8.4)/Pinning (0.8.6)
    仮想CPUの物理CPU割り当ての表示と設定を行います。
    1. Default Pinning仮想CPUを割り当てる物理CPUを指定します。
    2. ホストのNUMA設定から生成 (0.8.6のみ)
      NUMAアーキテクチャのマシンの場合、ホストのNUMAの設定を取得します。
    3. 実行時Pinning仮想マシンの実行時、現在の物理CPUの割り当てが表示されます。
  5. [Memory] 仮想マシンのメモリの状態の表示および設定を行います。なおね動的なメモリの割り当て変更はハイパーバイザーとゲストOSがサポートしている必要があります。KVM/Qemuは未サポート、Xenはサポート。
    1. ホストメモリーの合計
      ホストOSから認識されているのメモリ容量を表示します。
    2. Current allocation
      現在、仮想マシンに割り当てられているメモリの表示及び変更を行います。
    3. 最大割り当て
      仮想マシンに割り当てられる最大のメモリ容量を指定します。
    [Boot Options] 仮想マシンのブート時のオプションの設定を行います。
    1. 自動起動
      ホスト起動時に仮想マシンを自動起動する場合にはチェックします。
    2. 起動デバイスの順序
      OSを起動する仮想デバイス順序を指定します。デバイスは次の種類の中から選択することが出来ます。
      • ハードディスク
      • CDROM
      • フロッピーディスク
      • ネットワーク (PXE)

    3. Dircet kernel boot
      仮想ディスクではなく、直接カーネルのイメージを指定して仮想マシンを起動する際のイメージファイルとカーネルの起動引数の指定を行います。あまり、使用しないオプションです。
      • Kernel path
        ブートに使用するカーネルイメージを使用します。
      • initrd path
        initrdのイメージを指定します。
      • カーネルへの実引数
        カーネルへの引数を指定します。
    次回から、仮想ディスクやネットワークカードなどデバイスの管理について、説明します。

KVMの管理 改訂版 virt-manager 入門
第3回 (仮想マシンの概要の表示)

[概要]
仮想化環境の管理ユーティリティvirt-manager 0.8.x (RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04)での個々の仮想マシンの管理について説明しています。

[詳細]
前回、に引き続き、個々の仮想マシンの管理について説明します。特に、今回は「仮想マシンの情報」の中から、「Overview(概要)」について触れます。
[Overview]
  1. 基本的な情報
    1. 名前
      仮想マシン名が表示されます。
    2. UUID
      仮想マシンのUUIDが表示されます。
    3. 状態
      仮想マシンの動作状況が表示されます。
      • 実行中
      • 一時停止中
      • 停止中
    4. 詳細
      コメントを記載します。
  2. ハイパーバイザーの情報
    1. ハイパーバイザー
      使用しているハイパーバイザーが表示されます。kvmのパッケージがインストールされている環境では、kvm, qemuのどちらになります。
    2. アーキテクチャ
      仮想マシンのアーキテクチャが表示されます。kvmのパッケージがインストールされている環境では、x86_64, i686のどちらかになります。
    3. エミュレーター
      仮想マシンをエミュレートしているプログラムを表示します。

  3. マシンの設定
    1. ACPIを有効に
      仮想マシンの電源制御にACPIを有効にします。
    2. APICを有効に
      仮想マシンの割り込み制御にACPIを有効にします。
    3. 時刻のオフセット
      時刻のオフセットを協定世界時(UTC)か、現地時間(localtime)のどちらかに設定します。

  4. セキュリティーセキュリティのモデルが表示されます。

[Performance] 仮想マシンのパフォーマンスをグラフで表示します。
  1. CPU使用率
    CPU使用量の履歴がグラフ表示されます。
  2. メモリの使用量
    メモリ使用量の履歴がグラフ表示されます。
  3. ディスク I/O
    ディスクI/Oの履歴がグラフ表示されます。
  4. ネットワーク I/O
    ネットワークI/Oの履歴がグラフ表示されます。
  5. パフォーマンスのグラフについては、仮想マシンマネージャーで、データを取得するように設定する必要があります。
次回は、CPUとメモリ, Bootデバイスの管理について説明します。

木曜日, 8月 25, 2011

KVMの管理 改訂版 virt-manager 入門
第2回 (仮想マシンの管理)

[概要]
仮想化環境の管理ユーティリティvirt-manager 0.8.x (RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04)での個々の仮想マシンの管理について説明しています。

[詳細]
前回、virt-managerの"仮想マシンマネージャー"画面について説明しました。今回から数回に分けては、個々の仮想マシンの管理について説明します。



[メニュー]
  1. ファイル
    1. 仮想マシンマネージャーを表示
      "仮想マシンマネージャー"画面を表示します。
    2. 閉じる
      コンソール画面を閉じます。
      他に画面が開いている場合はvirt-manager自体は終了しません。
    3. 終了
      すべての画面を閉じてvirt-managerを終了します。
      ただし、管理しているホスト、仮想マシンは動作続けます。
  2. 仮想マシン
    1. 実行
      仮想マシンを起動もしくは停止状態から復帰します。
    2. 一時停止
      仮想マシンを一時停止します。
    3. シャットダウン
      仮想マシンのシャットダウン/リブートを実行します。次の3つの動作から選択してください。
      • 再起動
        仮想マシンの再起動を行います。仮想OSにAPCIを制御する機能がないと動作しません。
      • シャットダウン
        仮想OSのシャットダウンを行います。再起動と同様に仮想OSにAPCIを制御する機能がないと動作しません。
      • 強制的に電源OFF
        仮想マシンの電源を強制的にOFFにします。保存されていないデータを失ってしまったり、OSがクラッシュする可能性がありますので十分に注意してください。
      • 保存
        実行中の仮想マシン実行状態を保持したまま停止します。仮想マシンを再起動した際には、停止した処理を継続します。
      virt-managerには仮想マシンのリセットする方法がありません。一度、「強制的に電源OFF」を行った後、「実行」してください。
    4. クローン
      選択してる仮想マシンのクローンを作成します。仮想マシンが停止していないとクローンを作ることはできません。
    5. マイグレーション
      選択してる仮想マシンを指定したホストに移動します。
      (ただし、仮想マシンが移動できるための設定がなされている必要があります。)
    6. スクリーンショットの取得
      コンソールのスクリーンショットを取得します。スクリーンショットは、PNG形式で保存されます。

  3. 表示
    1. コンソール
      仮想OSのコンソールを表示します。
    2. 詳細
      仮想マシンの構成情報を表示します。
    3. フルスクリーン
      コンソール画面の全画面表示を行います。
    4. 仮想OSの
    5. 仮想マシンの画面サイズに合わせる
      仮想OSのコンソールの解像度にあわせてのウィンド・サイズを変更します。
    6. 画面の縮小拡大
      ウィンドのサイズの変更時に、ゲストOSのコンソール画面をリサイズするかどうかを設定します。
      • 常に
        ウィンドのサイズが変更された時には常にコンソールの画面もリサイズします。
      • フルスクリーン時のみ
        ウィンドをフルスクリーン(最大化)したときのみ、コンソールの画面をリサイズします。
      • しない
        コンソール画面のサイズの変更をしません。
    7. テキストコンソール
      接続するコンソールを選択します。デフォルトでは、グラフィカルコンソールに接続されます。
      • Serial n
        シリアルコンソールnに接続します。なお、シリアルコンソールに接続するためには、仮想マシンの設定及び、仮想OS側でのシリアルコンソールの設定の双方が必要です。
      • グラフィカルコンソールVNC
        グラフィカルなコンソールに接続します。
    8. ツールバー
      コンソール画面にツールバーを表示します。

  4. キーを送信
    ALT+CTRL+DELなど特殊キーのキー入力を仮想マシンに送信します。






[ツールバー]
  1. グラフィックコンソールを表示
    仮想マシンのグラフィックコンソールを表示します。
  2. 仮想マシンの情報の表示
    仮想マシンの構成情報を表示します。
  3. 実行
    仮想マシンを起動もしくは停止状態から復帰します。
  4. 一時停止
    仮想マシンを一時停止します。
  5. シャットダウン
    仮想マシンのシャットダウン/リブートを実行します。次の3つの動作から選択してください。
    • 再起動
      仮想マシンの再起動を行います。仮想OSにAPCIを制御する機能がないと動作しません。
    • シャットダウン
      仮想OSのシャットダウンを行います。再起動と同様に仮想OSにAPCIを制御する機能がないと動作しません。
    • 強制的に電源OFF
      仮想マシンの電源を強制的にOFFにします。保存されていないデータを失ってしまったり、OSがクラッシュする可能性がありますので十分に注意してください。
    • 保存
      実行中の仮想マシン実行状態を保持したまま停止します。仮想マシンを再起動した際には、停止した処理を継続します。
    virt-managerには仮想マシンのリセットする方法がありません。一度、「強制的に電源OFF」を行った後、「実行」してください。
  6. フルスクリーン
    コンソール画面の全画面表示を行います。
[グラフィックコンソール] 仮想マシンのコンソールが表示されます。 フォーカスを開放する(マウスやキーボードのフォーカスを仮想マシンから外すため)には、Ctrl+Altを押してください。 今回は、コンソールウィンドのメニューとボタンの機能を中心に説明しました。次回は、仮想マシンのデバイス管理について説明します。

水曜日, 8月 24, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第1回 Oracle VM Serverのインストール)

[概要]
Oracle VM Server 3.0のインストールについて説明します。
[詳細]
OVMは、Xenをベースにしたoracle社が提供するフリーのType1ハイパーバイザ型の仮想化環境です。
エンタープライズ用途にフォーカスしており、Oracle社の製品が正式サポートする数少ない仮想化環境でもあります。
2011/08/24にリリースされたOVM 3.0について、インストールから管理の基礎について、数回に分けて説明します。
まず、今回は仮想マシンを動作させるOVM Managerのインストールを説明します。
  1. OVMの入手
    oracle社のWEBサイト (http://linux.oracle.com/)にアクセスし、Oracle VM : DownloadからE-Deliveryのページに移ります。


    ユーザ登録を済ませると、1日から2日後に承認のメールが届きます。


    再度、WEBサイトにアクセスすると、ダウンロードのページに進むことが出来ます。

    最新のバージョンを選択し、ServerとManagerをダウンロードします。


  2. インストール媒体の準備
    ダウンロードしたOVM Serverのzipファイルを展開し、インストール媒体イメージをCDROMもしくはDVD±ROMの媒体へ書き込みます。書き込みについては、イメージを媒体に転記できるツールを使用してください。

  3. CDからのインストール
    作成したCDイメージを使用して、ホスト・マシンにOVMをインストールします。
    インストールの手順は、Red Hat系のディストリビューションと、ほぼ、同じです。

    1. インストールするホスト・マシンに、既に別のOSが入っている場合にはMBRを初期化します。MBRの初期化については、こちらを参照してください。


    2. 作成した媒体をCD/DVDドライブへ挿入し、ホスト・マシンの電源を入れます。
      なお、CD/DVDドライブから起動するように、あらかじめBIOSを設定しておいてください。

    3. Bootが終わるとインストールの開始画面になりしばらくすると、自動的にインストールが開始されます。

    4. 媒体のチェックをするかどうかに答えます。

    5. 使用するキーボードのレイアウトを選択します。

    6. 使用許諾(EULA)する(Accept)か否(Decline)かを決定します。当然、許諾しなければインストールはできません。

    7. ディスクのフォーマットを行ってよいかどうかに答えます。

    8. パーティションの設定を行います。
      パーティション設定のタイプと使用するディスクを選択します。



      まず、パーティション設定のタイプを選択します。上から順に
      • 選択されたすべてのディスクを使用して、標準のレイアウトでパーティションを作成します。既存のパーティションは、すべて削除されます。
      • 選択されたディスのLinuxのパーティションだけを使用して、標準のレイアウトでパーティションを作成します。既存のLinuxパーティションは、すべて削除されます。
      • 選択されたディスクの空き領域を使用して、標準のレイアウトでパーティションを作成します。
      • 最小のレイアウトで、USBドライブにインストールを行います。
      • ユーザがパーティションのレイアウトを指定します。

      次に、使用するディスクを選択します。
      その後、パーティション削除の確認と、パーティションのレイアウトの確認の要不要に回答します。レイアウト確認に"Yes"で答えると、パーティションの設定ツールが起動し、レイアウトの変更が行えます。

    9. ブートローダーの設定を行います。
      ブートローダーを格納する場所を選択します。
      OSが認識するディスク順序を変更したい場合(異なるディスクのMBRを選択したい場合)は、"Change drive order"を選択し、ディスクの順序を変更します。


    10. 管理サーバとの通信に使用するネットワーク・アダプタを選択します。また、管理ネットワークをVLANに構築場合は"Add to VLAN"を選択し、次の画面で管理LANに使用するVLAN番号を指定します。

    11. IPアドレス、ネットマスクを設定します。

    12. ゲートウェイ、DNSサーバーを設定します。

    13. ホスト名を設定します。

    14. タイムゾーンの設定を行います。

    15. Oracle VM Agentのパスワードを設定します。
      Oracle VM Agentは、OVM ServerとOVM マネージャとの間の通信を行うエージェントです。

    16. rootのパスワードを設定します。

    17. インストール開始の確認に答えます。


    18. サーバのリブートを行います。


    19. ログイン画面が表示されれば、インストールは完了です。


    20. 環境設定
      OVMを使用するための最小限の環境設定を行います。ALT+F2でログインコンソールが表示されます。最初はrootでログインします。
      1. OVM Serverを管理するためのユーザを追加します。
        [root@linux ~]# useradd -m ユーザ名
        [root@linux ~]# passwd ユーザ名
        Changing password for user ovmuser.
        New UNIX password:

    必要に応じて、NTP, ssh, resolv.conf, /etc/hostsなどの設定を行ってください。設定方法は通常のLinuxと同じです。
    これで、Oracle VM Serverを使用する準備が終わりました。次回からはOVM Mnagerでの管理ついて説明します。