KVMでの仮想マシンの作成からOSインストールまでの手順を説明しています。
[詳細]
今回は仮想マシンの作成からOSのインストールについて説明します。
KVMで仮想化環境を管理する方法ツールはいくつもありますが、今回は"virt-manager"を使って仮想マシンを作成します。"virt-manager"はRed Hat社が中心になって開発している仮想化環境の管理ツールのひとつで、Xen, Qemu(KVM含む)の複数の仮想化環境を一括して管理することが出来ます。この改訂版では、RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04で広く採用されているvirt-manager 0.8.xを作成方法について説明します。
なお、この入門編では、一般的な手順で仮想マシンの作成を紹介し、他の方法については管理編にて触れます。
- OSイメージの準備
仮想マシンにインストールするOSのISOイメージを、ホストマシンに保存してください。仮想マシン作成の練習には、ubuntu 10.10, 11.04 か CentOS5.4以降をお勧めします。 - virt-managerの起動
virt-managerの起動は、ターミナルでvirt-managerと入力するか、メニューバーから"仮想マシンマネージャー"を選択して行います。
- ウィザードの起動
左端の"新しい仮想マシンの作成"ボタンを押すか、"localhost (QEMU)"(「接続」)を右クリックで"新規"を選択すると、ウィザードが起動します。
- 仮想マシン名の設定とインストール方法の選択 (ステップ 1/5)
最初の画面では、仮想マシン名の設定とインストール方法の選択を行います。
仮想マシン名では、任意の名前をつけることができますが、使える文字は半角英数字と"-",".","_"です。また、「接続」上で一意である必要があります。だたし、ゲストOSのマシン名とは必ずしも一致させる必要はありません。
今回、インストール方法は「ローカルのインストールメディア」を選択します。
- インストールメディアとOSの選択 (ステップ 2/5)
インストールメディアの場所は、ホストの物理ドライブとISOイメージを使うことが出来ます。今回は手順0で用意したISOイメージを使用するので、「ISOイメージを仕様」にチェックし、ISOイメージのパスを入力してください。
「参照」からパスを選ぶときには、ポップアップした画面中の「ローカルを参照」ボタンを押して、イメージを選択します。
OSの種類とバージョンの選択は、インストールするOSに合わせます。 - メモリとCPUの設定 (ステップ 3/5)
仮想マシンに割り当てるメモリ容量とCPUの数を指定します。
- 仮想ストレージの作成 (ステップ 4/5)
仮想ストレージを作成します。最初から選択されている「コンピューターのハードディスク上にディスクイメージを作成」をそのまま使用し、必要なディスク容量を指定してください。CentOS, ubuntuともに、デフォルトの8GBの容量で十分です。
- ネットワークと仮想化方式の設定 (ステップ 5/5)
接続するネットワークと仮想化の方式を決定します。
今回、ネットワークは"defualt"の"NAT"を選択してください。他のネットワークについては、別の機会に説明します。
CPUアーキテクチャーは、"x86_64" (64bit), "i686" (32bit)のどちらかを選択します。ホストが32bit CPUの場合は"i686" だけが表示されます。ハイパーバイザーは、"kvm"を選択してください。
「完了」を押すと、コンソール画面が開き、インストールが始まります。 - 仮想マシンのOSインストール
コンソールにマウスをフォーカスすると、コンソール内にマウスが移りります。これ以降は物理マシンと同じようにインストールを行ってください。コンソールからマウスのフォーカスをホストにもどす方法は、"Control_L"と "Alt_L"を同時に押してください。
作成した仮想マシンは、"localhost(QEMU)"の下に表示されています。
以上で、KVMでの仮想マシンの作成、OSのインストールの説明は終了です。次回から仮想化環境の管理に必要なvirt-managerの詳しい説明に移ります。
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