水曜日, 8月 17, 2011

KVM 入門 改訂版
( バーチャルマシンの作成からゲストOSのインストールまで)

[概要]
KVMでの仮想マシンの作成からOSインストールまでの手順を説明しています。

[詳細]
今回は仮想マシンの作成からOSのインストールについて説明します。
KVMで仮想化環境を管理する方法ツールはいくつもありますが、今回は"virt-manager"を使って仮想マシンを作成します。"virt-manager"はRed Hat社が中心になって開発している仮想化環境の管理ツールのひとつで、Xen, Qemu(KVM含む)の複数の仮想化環境を一括して管理することが出来ます。この改訂版では、RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04で広く採用されているvirt-manager 0.8.xを作成方法について説明します。
なお、この入門編では、一般的な手順で仮想マシンの作成を紹介し、他の方法については管理編にて触れます。
  1. OSイメージの準備
    仮想マシンにインストールするOSのISOイメージを、ホストマシンに保存してください。仮想マシン作成の練習には、ubuntu 10.10, 11.04 か CentOS5.4以降をお勧めします。
  2. virt-managerの起動
    virt-managerの起動は、ターミナルでvirt-managerと入力するか、メニューバーから"仮想マシンマネージャー"を選択して行います。
  3. ウィザードの起動
    左端の"新しい仮想マシンの作成"ボタンを押すか、"localhost (QEMU)"(「接続」)を右クリックで"新規"を選択すると、ウィザードが起動します。
  4. 仮想マシン名の設定とインストール方法の選択 (ステップ 1/5)
    最初の画面では、仮想マシン名の設定とインストール方法の選択を行います。
    仮想マシン名では、任意の名前をつけることができますが、使える文字は半角英数字と"-",".","_"です。また、「接続」上で一意である必要があります。だたし、ゲストOSのマシン名とは必ずしも一致させる必要はありません。
    今回、インストール方法は「ローカルのインストールメディア」を選択します。
  5. インストールメディアとOSの選択 (ステップ 2/5)
    インストールメディアの場所は、ホストの物理ドライブとISOイメージを使うことが出来ます。今回は手順0で用意したISOイメージを使用するので、「ISOイメージを仕様」にチェックし、ISOイメージのパスを入力してください。

    「参照」からパスを選ぶときには、ポップアップした画面中の「ローカルを参照」ボタンを押して、イメージを選択します。

    OSの種類とバージョンの選択は、インストールするOSに合わせます。
  6. メモリとCPUの設定 (ステップ 3/5)
    仮想マシンに割り当てるメモリ容量とCPUの数を指定します。
  7. 仮想ストレージの作成 (ステップ 4/5)
    仮想ストレージを作成します。最初から選択されている「コンピューターのハードディスク上にディスクイメージを作成」をそのまま使用し、必要なディスク容量を指定してください。CentOS, ubuntuともに、デフォルトの8GBの容量で十分です。
  8. ネットワークと仮想化方式の設定 (ステップ 5/5)
    接続するネットワークと仮想化の方式を決定します。
    今回、ネットワークは"defualt"の"NAT"を選択してください。他のネットワークについては、別の機会に説明します。
    CPUアーキテクチャーは、"x86_64" (64bit), "i686" (32bit)のどちらかを選択します。ホストが32bit CPUの場合は"i686" だけが表示されます。ハイパーバイザーは、"kvm"を選択してください。

    「完了」を押すと、コンソール画面が開き、インストールが始まります。
  9. 仮想マシンのOSインストール
    コンソールにマウスをフォーカスすると、コンソール内にマウスが移りります。これ以降は物理マシンと同じようにインストールを行ってください。コンソールからマウスのフォーカスをホストにもどす方法は、"Control_L"と "Alt_L"を同時に押してください。

    作成した仮想マシンは、"localhost(QEMU)"の下に表示されています。

以上で、KVMでの仮想マシンの作成、OSのインストールの説明は終了です。次回から仮想化環境の管理に必要なvirt-managerの詳しい説明に移ります。

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