水曜日, 9月 14, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第0回 必要なリソースの準備)

[概要]
OVM 3.0の環境を構築する前に準備するリソースを説明しています。

[詳細]
何回かにわたってOVM3.0の構築ついて説明してきましたが、構築に必要となる周辺リソースには触れてきませんでした。今回はどのようなリソースが必要とされるかについて説明します。
OVM 3.0は大規模環境での使用に配慮されているため、仮想化ホスト・サーバ以外にも、構築にいくつかのサーバやストレージなどのリソースを準備しなければなりません。

  1. サーバ
    1. OVM Manager
      OVM環境を管理するマネージャのサーバです。マネージャへはウエブ・ブラウザをつかって、アクセスします。WebLogic Server, Oracle XEを動かすので、それなりのスペックが必要です。

      HWスペック:
      1.83GHz2.1GB
      メモリ4GB
      1.5GB (別にDBサーバ用意した場合)
      CPUアーキテクチャ64ビット
      CPUスピード
      swap サイズ
      HDD/01 5GB
      /tmp 2GB

      対応OS:
      OVM Managerが、正式にサポートするOSです。
      Oracle Linuxは、OVMと同じサイトからダウンロードでき、無料で使用することができます。

      • Oracle Linux 5 Update 5 64-bit or later
      • Oracle Linux 6 64-bit or later
      なお、CentOS5.7での動作を確認していますので、RHEL 5でも動作するものと思われます。 Oracle XEサポートOSがサポートするOSです。
      • Oracle Enterprise Linux 4 Update 7
      • Oracle Enterprise Linux 5 Update 2
      • Red Hat Enterprise Linux 4 Update 7
      • Red Hat Enterprise Linux 5 Update 2
      • SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2
      • SUSE Linux Enterprise Server 11
      必須OSパッケージ: OVM Manager:
      • unzip
      • libaio
      Oracle XE:
      • glibc should be greater than or equal to 2.3.4-2.41
      • make should be greater than or equal to 3.80
      • binutils should be greater than or equal to 2.16.91.0.5
      • gcc should be greater than or equal to 4.1.2
      • libaio should be greater than or equal to 0.3.104
    2. OVM Server
      仮想マシンを動作させるホスト・サーバです。ディスク容量はOSのみで、各種イメージなどは含みません。また、スペックからでなく実測値です。

      1GB (swap領域除く)
      メモリ推奨 2GB以上
      最小 1GB
      CPUアーキテクチャ64ビット
      CPU仮想化支援機能
      (完全仮想化環境で必須)
      Intel VT-x
      AMD-V
      内蔵HDD
    3. Web Server
      OVMでは、ISOイメージやテンプレートを登録する際には、http, https, ftpのプロトコルでOVMがWeb ServerもしくはFTP Serverからイメージをダウンロードします。そのために、Web ServerかFTP Serverのどちらかをあらかじめ用意しておく必要があります。
    4. FTP Server
      同上
  2. ストレージ
    OVM 3.0では、仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所には、共有ストレージが必要です。標準で使用できるストレージは、NFS, iSCSI, ファイバチャネルです。
    1. NFS Server
      NFS Serverの設定は、すべてのサーバからアクセス可能にする必要があります。
      サンプル:
      root # cat /etc/exports
      /var/ovm/images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
      /var/ovm/templates *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
      /var/ovm/iso_images *(rw,sync,wdelay,hide,nocrossmnt,secure,no_root_squash,no_all_squash,subtree_check,secure_locks,anonuid=-2,anongid=-2)
    2. iSCSIターゲット
      OVMサーバから同時にアクセスできるように、iSCSIのターゲットを設定します。LinuxでのiSCSIターゲットの設定方法についてはこちらを参照してください。
    3. ファイバチャネル・ストレージ
      ファイバチャネルのSAN環境では、OVMサーバから同時にアクセスできるようアクセスコントロールを設定する必要があります。
    4. ローカル・ストレージ
      OVM 3.xでは、内蔵ディスクをパーティションを分けて仮想マシンイメージやISOイメージ、テンプレートの格納場所として使用することはできません。ディスク一本まるまるRAWデバイスとして使用します。
  3. クライアント・ソフト
    OVM Managerへアクセスするクライアントには、JRE1.6.xに同梱されている"Java Web Start"が必要です。こちらからダウンロードしてください。
    なお、Open JDKでは、コンソールのtigthvncが動作しませんでした。
事前に、これらの必要リソースを準備してください。 それでは、OVM 3.0の構築に戻りましょう。

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