土曜日, 8月 29, 2009

virt-manager 入門 (第3回 仮想ハードウェアの追加)

[概要]
仮想化環境の管理ユーティリティvirt-manager 0.6.1のコンソールについて説明をしています。
RHEL6, CentOS6, ubuntu 10.10, 11.04で使用されているvirt-manager 0.8.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
前回、virt-managerの"仮想マシンマネージャー"画面について説明しました。今回は、コンソールについて説明します。



[メニュー]
  1. ファイル
    1. 表示マネージャー
      "仮想マシンマネージャー"画面を表示します。
    2. 閉じる
      コンソール画面を閉じます。
      他に画面が開いている場合はvirt-manager自体は終了しません。
    3. 終了
      すべての画面を閉じてvirt-managerを終了します。
      ただし、管理しているホスト、仮想マシンは動作続けます。
  2. 仮想マシン
    1. Run
      仮想マシンを起動もしくは停止状態から復帰します。
    2. Pause
      仮想マシンを一時停止します。
    3. Shut Down
      仮想マシンのシャットダウン/リブートを実行します。次の3つの動作から選択してください。
      • 再起動
      • Shut Down
      • Force Off (強制OFF)
    4. 保存
      動作中の仮想マシンのイメージを保存(スナップショットを取得)します。
    5. Migrate
      選択してる仮想マシンを指定したホストに移動します。
      (ただし、仮想マシンが移動できるための設定がなされている必要があります。)


    6. スクリーンショットの取得
      コンソールのスクリーンショットを取得します。スクリーンショットは、PNG形式で保存されます。

  3. 表示
    1. Fullscreen
      コンソール画面の全画面表示を行います。
    2. Scale Display
      コンソールの解像度にあわせてのウィンド・サイズを変更します。
    3. シリアルコンソール
      シリアルコンソールに接続します。
    4. ツールバー
      コンソール画面にツールバーを表示します。

  4. Send Key
    ALT+CTRL+DELなど特殊キーのキー入力を仮想マシンに送信します。

[ツールバー]
  1. 実行
    仮想マシンを起動もしくは停止状態から復帰します。
  2. 一時停止
    仮想マシンを一時停止します。
  3. Shut Down
    仮想マシンのシャットダウン/リブートを実行します。次の3つの動作から選択してください。
    • Reboot
    • Shut Down
    • Force Off (強制OFF)
  4. フルスクリーン
    コンソール画面の全画面表示を行います。
[コンソール] 仮想マシンのコンソールが表示されます。 ポインターを開放する(マウスやキーボードのフォーカスを仮想マシンから外すため)には、Ctrl+Altを押します。 [概要] 仮想マシンの情報が表示されます。
  1. 名前
    仮想マシン名が表示されます。
  2. UUID
    仮想マシンのUUIDが表示されます。
  3. 状態
    仮想マシンの動作状況が表示されます。
  4. CPU使用量
    CPU使用量の履歴がグラフ表示されます。
  5. メモリの使用量
    メモリ使用量の履歴がグラフ表示されます。
  6. Disk I/O
    ディスクI/Oの履歴がグラフ表示されます。
  7. Network I/O
    ネットワークI/Oの履歴がグラフ表示されます。
  8. パフォーマンスのグラフについては、仮想マシンマネージャーで、データを取得するように設定する必要があります。
[ハードウェア] 仮想マシンを構成しているハードウェアの情報表示、設定の変更を行います。
  1. Processor
    仮想CPUについて、現在の数および変更を行えます。
    なお、"最大割り当て"の数までCPUを指定できますが、パフォーマンスの観点から"ホストマシン上のCPU合計"の数以下にしてください。また、OS稼動中の変更は出来ません。

  2. Memory
    仮想マシンのメモリの状態の表示および設定を行います。
    "割り当て変更"には、仮想マシン起動時に確保するメモリを指定します。ただし、ハイパーバイザーによってはサポートしていない場合があります。KVM/Qemuは未サポート、Xenはサポート。
    "最大割り当て"は最大で確保される容量(ゲストOSから認識されるメモリ容量)を設定します。

  3. Boot Options
    仮想マシンのブート時のオプションの設定を行います。


    1. Auto start
      ホスト起動時に仮想マシンを自動起動する場合にはチェックします。
    2. 起動デバイス
      OSを起動する仮想デバイスを選択します。デバイスは次の種類の中から選択することが出来ます。

      • ハードディスク
      • CDROM
      • フロッピーディスク
      • ネットワーク (PXE)

      もちろん、仮想デバイスが作成されていないとリストされません。
  4. Disk
    仮想ディスクの情報を表示します。
    仮想ディスクがcdromの場合は、デバイスまたISOイメージの接続/切断が可能です。

  5. NIC
    仮想ネットワークカードの情報を表示します。
    1. ソースタイプ
      接続しているネットワークのタイプが表示されます。
      タイプは次の2つ。仮想ネットワーク(network)ブリッジ接続(bridge)
    2. ソース装置
      接続しているネットワーク名、デバイス名が表示されます。
    3. ソースモデル
      エミュレートしているネットワークカードが表示されます。
    4. MACアドレス
      MACアドレスが表示されます。

  6. マウス
    マウスのデバイス情報が表示されます。


  7. 表示(ディスプレイ)
    仮想ディスプレイの情報を表示します。
    1. タイプ
      仮想ディスプレイのタイプが表示されます。
      タイプは"VNC サーバー"と"ローカル SDL ウィンド"とがあります。
      • "VNC サーバー"はコンソールを表示するプロトコルにVNCを使用しています。
      • "ローカル SDL ウィンド"は、ホストのX window上にコンソールが表示されます。
        つまり、virt-managerのコンソール・タブにはコンソール画面が表示されません。また、このウィンドウを閉じると仮想マシンも終了します。このように、管理がvirt-managerから外れてしまうことと誤って仮想マシンを強制終了してしまうリスクがあるのでお勧めしません。
        なお、Xenは"ローカル SDL ウィンド"をサポートしていません。仮想マシンの起動時にエラーになります。
    これ以降のプロパティは、VNCサーバのときのみに有効です。
    1. アドレス
      VNCサーバに接続を許可するNICのIPアドレスが表示されます。
      "127.0.0.1"の場合はローカルのみからの接続となり、"0.0.0.0"の場合はすべてのNICからの接続を許可します。それ以外の場合には、表示されているIPアドレスをもつNICからのみの接続になり、リモートからVNC Viewerなどのクライアントを利用して接続可能です。なお、"127.0.0.1"と"0.0.0.0"以外の場合は、virt-managerのコンソール・タブにコンソール画面は表示されません。
    2. ポート
      VNCが使用しているポート番号が表示されます。
    3. パスワード
      常に"-"です。
    4. キーマップ
      VNCで使用しているキーマップが表示されます。
  8. Sound
    サウンド・カードの情報を表示します。
  9. Serial
    デバイスのタイプ、ポート番号、ソースのパスといったシリアルポートの情報を表示します。

次回は、仮想マシンへのデバイスの追加について説明します。

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